骨盤について2 ~骨盤についている筋肉が硬くなるとどんな影響があるの?~

骨盤について1では、骨盤の構造、骨盤の役割、骨盤に付着する代表的な筋肉を見てきました。今回は、骨盤に付着する代表的な筋肉が硬くなると身体にどのような影響が出るかを見ていきましょう。

目次

骨盤に付着する代表的な筋肉

  • 脊柱起立筋群
  • 広背筋
  • 腹斜筋
  • 腹直筋
  • 腰方形筋
  • 大腿四頭筋
  • 内転筋群
  • ハムストリングス
  • 臀筋群
  • 骨盤底筋

これらの筋肉が硬くなると身体にどのような影響が出るのでしょうか。部位ごとに見ていきましょう。

  脊柱起立筋群
(せきちゅうきりつきんぐん)

脊柱起立筋

脊柱起立筋群は、脊柱の安定性を維持するために重要な筋肉です。
この筋肉群が硬くなると、身体に以下のような出る可能性があります。

1  腰痛:
脊柱起立筋群の硬直は、腰痛の原因の1つとなることがあります。
筋肉が硬くなることで、腰部の可動域が制限され、痛みを引き起こす可能性があります。

2  姿勢の悪化:
脊柱起立筋群が硬くなると、猫背や巻肩などの姿勢の悪化が起こることがあります。
これによって、首や肩、背中に負担がかかり、痛みや疲れを引き起こすことがあります。

3  骨盤のゆがみ:
脊柱起立筋群の硬直は、骨盤のゆがみの原因となることがあります。
これによって、脚の長さが異なったり、体幹の偏りが生じたりすることがあります。

4  血行不良:
脊柱起立筋群が硬直することで、周囲の血管や神経の圧迫が生じることがあります。
これによって、手足のしびれや冷え性、疲れやすさなどの症状がでることがあります。

  広背筋
(こうはいきん)

広背筋

広背筋は、背中の広範囲にわたる大きな筋肉の1つで、上腕骨を内側から引っ張ることで肩甲骨を安定させ、腕を後ろに引く動作を担当します。
この筋肉が硬くなると、以下のような影響が生じることがあります。

1  肩こり:
広背筋の硬直は、肩周りの筋肉に負担をかけることで、肩こりを引き起こすことがあります。
筋肉が硬くなることで、首や肩周辺の可動域が制限され、血流が悪くなって痛みを引き起こすこともあります。

2  姿勢の悪化:
広背筋が硬直すると、背中が丸まりやすくなり、猫背の姿勢をとりやすくやります。
これによって、肩こりや首の痛み、腰痛などの原因となることがあります。

3  スポーツパフォーマンスの低下:
広背筋はスポーツにおいても重要な役割を担っており、硬直することで肩関節の可動域が制限され、パフォーマンスが低下することがあります。

4  呼吸困難:
広背筋が硬直することで、胸郭の可動域が制限され、呼吸が浅くなり、息切れや呼吸困難を引き起こすことがあります。

  腹斜筋
(ふくしゃきん)

腹斜筋

腹斜筋は、身体の側面に位置する筋肉で、体幹の安定性を保つ重要な役割を果たしています。
腹斜筋が硬くなると、次のような影響が身体に現れる可能性があります。

1  姿勢の変化:
腹斜筋は脊柱をサポートし、身体の姿勢を維持する役割を果たしています。
筋肉が硬くなると、腰椎や背骨の位置が変化して、姿勢が崩れる可能性があります。
例えば、肩が前に傾いて巻肩になったり、骨盤が前に傾いて反り腰になったりすることがあります。

2  腰痛:
斜筋の硬直は、腰部の不安定性や負担を引き起こす可能性があります。
筋肉が柔軟性を失うと、腰椎周辺の関節や組織に過剰な圧力がかかり、腰痛や腰部の不快感が生じることがあります。

3  動作の制限:
腹斜筋は身体の回旋(ねじり)運動に関与しています。
硬直した腹斜筋は、身体の回旋能力を制限する可能性があります。
この制限は、スポーツや日常生活の動作において、身体の運動効率やパフォーマンスに影響を与えることがあります。

4  呼吸の制限:
腹斜筋は呼吸にも関与しています。硬直した腹斜筋は、腹式呼吸を制限して、呼吸の深さや効率を低下させる可能性があります。
これにより、息切れや呼吸困難を感じることがあります。

  腹直筋
(ふくちょくきん)

腹直筋

腹直筋は、身体の全面に位置する筋肉で、腹部の安定性や姿勢の維持に重要な役割を果たしています。
腹直筋が硬くなると、次のような影響が身体に現れる可能性があります。

1  姿勢の変化:
腹直筋は、脊柱をサポートして、背骨の安定性を保つ役割を果たしています。
筋肉が硬くなると、脊柱のカーブや位置が変化して、姿勢が崩れる可能性があります。
例えば、前かがみの姿勢や猫背になったりすることがあります。

2  腰痛:
腹直筋の硬直は、腰部の不安定性や負担を引き起こす可能性があります。
筋肉が硬くなると、腰椎周辺の関節や組織に過剰なストレスがかかり、腰痛や腰部の不快感が生じることがあります。

3  姿勢制御の低下:
腹直筋は体幹の安定性をサポートする筋肉です。
硬直した腹直筋は、体幹の制御や安定性を低下させる可能性があります。
これにより、日常の動作やスポーツのパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。

4  運動効率の低下:
腹直筋は、身体の動きや運動における力の伝達に関与しています。
硬直した腹直筋は、運動効率を低下させ、動作のスムーズさやパフォーマンスを制限する可能性があります。

5  呼吸制限:
腹直筋は呼吸にも関与しています。
硬直した腹直筋は、呼吸の制限を引き起こし、腹式呼吸の深さや効率を低下させることがあります。

  腰方形筋
(ようほうけいきん)

腰方形筋

腰方形筋は、背面に位置する筋肉で、背部の安定性や姿勢の維持に重要な役割を果たしたています。
腰方形筋が硬くなると、次のような影響が身体に現れる可能性があります。

1  姿勢の変化:
腰方形筋は背部の安定性をサポートして、背骨のカーブを維持する役割があります。
腰方形筋が硬くなると、背骨の位置が変化して、姿勢が崩れる可能性があります。
例えば、猫背になったり、肩の高さに違いが出たりすることがあります。

2  姿勢に関連した問題:
腰方形筋の硬直は、他の筋肉群とのバランスの乱れを引き起こすことがあります。
例えば、胸部の筋肉が縮んだり、前方に引っ張られたりすることがあります。
これにより、上半身の前傾姿勢や巻肩のなどの問題が生じることがあります。

3  背部の不快感:
腰方形筋の硬直は、背部の不快感や痛みを引き起こす可能性があります。
腰方形筋が硬くなると、背部周辺の関節や組織に過剰なストレスがかかり、背部の痛みやこわばりが生じることがあります。

4  姿勢制御の低下:
腰方形筋は背部の安定性をサポートする筋肉です。
硬直した腰方形筋は、背部の制御や安定性を低下させる可能性があります。
これにより、日常の動作やスポーツのパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。

5  運動効率の低下:
腰方形筋は、背部の動きや運動における力の伝達に関与しています。
硬直した腰方形筋は、運動効率を低下させ、動作のスムーズさやパフォーマンスを制御する可能性があります。

  大腿四頭筋
(だいたいしとうきん)

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前面に位置する筋肉で、膝関節の伸展や腰椎の安定性に重要な役割を果たしています。
大腿四頭筋が硬くなると、次のような影響が身体に現れる可能性があります。

1  姿勢の変化:
大腿四頭筋は膝関節の伸展を行う筋肉であり、筋肉が硬直すると膝関節の可動域が制限されます。
これにより、歩行や姿勢の変化が生じる可能性があります。
例えば、膝が伸びにくくなり、歩行時に膝を曲げた状態で歩く傾向が出ることがあります。

2  膝関節の負荷増加:
大腿四頭筋の硬直は、膝関節に対する負荷を増加させる可能性があります
筋肉が硬くなるなると、関節にかかる力の分散がうまく行われず、膝関節の不安定性や負担が増加することがあります。
これにより、膝の痛みや損傷のリスクが高まることがあります。

3  下半身の運動制限:
大腿四頭筋は下半身の動作において重要な役割を果たしています。
硬直した大腿四頭筋は、膝関節の可動域や筋肉の伸縮性を制限して、下半身の運動効率を低下させる可能性があります。
これにより、歩行や走行時のパフォーマンスが低下することがあります。

4  筋肉バランスの乱れ:
大腿四頭筋の硬直は、他の筋肉群とのバランスの乱れを引き起こすことがあります。
例えば、ハムストリングス(太ももの後ろの筋肉群)や臀部(お尻)の筋肉が弱まったり、縮んだりすることがあります。
このような筋肉の不均等は、姿勢の崩れや運動パフォーマンスの低下、怪我のリスクの増加などを引き起こす可能性があります。

  内転筋群
(ないてんきんぐん)

内転筋群

内転筋群は、太ももの内側に位置する筋肉で、脚の内側の動きや安定性を担当しています。
内転筋群が硬くなると、次のような影響が身体に現れる可能性があります。

1  脚の姿勢の変化:
内転筋群は、脚を内側に向ける動きを担当しています。筋肉が硬くなると、脚の内旋(内側に向かう回転)が制限されます。
これにより、立位や歩行時に脚が内側に向かいやすくなり、膝や足首のバランスが崩れる可能性があります。

2  膝関節の負担増加:
内転筋群の硬直は、膝関節に対する負荷を増加させる可能性があります。
筋肉が硬くなると、膝の外側の筋肉や靭帯が過度に緊張して、内側への圧力が高まることがあります。
これにより、膝関節の不安定さや内側の組織への負担が増え、膝の痛みや損傷のリスクが高まる可能性があります。

3  脚の動作制限:
内転筋群は脚の内旋運動に関与しています。硬直した内転筋群は、脚の内旋能力を制限する可能性があります。
この制限は、走行やスポーツの動作において、脚の運動効率パフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。

4  骨盤の安定性低下:
内転筋群は骨盤の安定性をサポートする役割も果たしています。
筋肉が硬くなると、骨盤の前傾が促進される可能性があります。
これにより、骨盤の位置が不安定になり、腰痛や姿勢の崩れが生じることがあります。

  ハムストリングス

ハムストリングス

ハムストリングスは、太ももの後ろに位置する筋肉群で、膝の屈曲や骨盤の後傾に関与しています。
ハムストリングスが硬くなると、次のような影響が身体に現れる可能性があります。

1  脚の伸展の制限:
ハムストリングスの硬直は膝関節の伸展(脚を伸ばす動作)の制限を引き起こします。
これにより、歩行や走行時に脚の伸展が制約され、動作のパフォーマンスが低下する可能性があります。

2  姿勢の変化:
ハムストリングスの硬直は、骨盤の後傾を引き起こす可能性があります。
ハムストリングスの硬直により、骨盤が後傾し、腰部の反りや後屈が制限され姿勢が前かがみになったり、背中が丸まったり首に負担がかかることがあります。

3  膝関節への負荷増加:
ハムストリングスの硬直は、膝関節に負荷をかける可能性があります。
筋肉が硬くなると、膝の可動域や衝撃吸収能力が低下し、膝関節への負担が増加することがあります。

4  腰部への負荷増加:
ハムストリングスの硬直は、腰部にも影響を及ぼすことがあります。
筋肉が硬くなると、腰部の動きや柔軟性が制限され、腰痛のリスクが増加する可能性があります。
ハムストリングスの硬直により、腰部の筋肉や関節に対する負荷が増え、腰椎や仙腸関節にストレスがかかることがあります。

  臀筋群
(でんきんぐん)

殿筋群

臀筋群は、お尻の筋肉群で、広範囲にわたる筋肉から構成されています。
主な筋肉には、大臀筋(お尻の大きな筋肉)、中臀筋、小臀筋などがあります。
臀筋群が硬くなると、以下のような影響が身体に現れる可能性がります。

1  姿勢の変化:
:臀筋群の硬直は、骨盤の位置や姿勢に影響を及ぼすことがあります。
臀筋群の硬直により、骨盤が前傾したり、下垂したりすることがあります。
これにより、腰部の曲げや前屈が制限され、反り腰になったり、背中や首に負担がかかることがあります。

2  下半身の安定性の低下:
硬直した臀筋群は、下半身の安定性を損なう可能性があります。
臀筋群は、歩行や走行、バランスの維持に重要な役割を果たしています。
硬直すると、臀筋群の筋力や制御が低下し、下半身の安定性が減少することがあります。

3  膝や腰の負担増加:
硬直した臀筋群は、周辺の関節に負担をかけることがあります。
臀筋群の硬直により、膝や腰に不均等な負荷がかかることで、膝関節や腰椎にストレスがかかり、痛みや損傷のリスクが増加する可能性があります。

  骨盤底筋
(こつばんていきん)

骨盤底筋

骨盤底筋は、骨盤の底部を覆うように配置されており、骨盤の内部を支える役割を果たしています。
骨盤底筋が硬くなると、身体に以下のような影響が出る可能性があります。

1  尿失禁や尿漏れのリスク増加:
骨盤底筋は、尿道や肛門を支える重要な筋肉です。
硬くなった骨盤底筋は、その機能が低下し、尿失禁や尿漏れのリスクが増加し、正常な尿道閉鎖機能や尿道コントロールが妨げられることがあります。

2  骨盤の安定性の低下:
骨盤底筋は、骨盤の安定性を維持するために重要な役割を果たしています。
硬直した骨盤底筋は、骨盤の安定性を低下させ、姿勢や動作の制御に影響を与える可能性があります。
特に女性にとっては、妊娠や出産による骨盤底筋の弛緩や機能低下が問題となることがあります。

3  腰痛や骨盤周辺の不調:
骨盤底筋の硬直は、腰部や骨盤周辺にも影響を及ぼすことがあります。
骨盤底筋の緊張が過剰になると、骨盤の位置や関節の調整が妨げられ、腰痛や骨盤周辺の不調が引き起こされる可能性があります。

まとめ

骨盤に関わる筋肉が硬くなると、姿勢の乱れ、腰痛、骨盤の安定性、運動パフォーマンスの低下、尿漏れなど様々な影響が出てしまいます。これらの症状でお悩みの方は、骨盤矯正が有効です。

筋肉を柔らかくして身体の不調を改善したいというかたは、是非一度ご相談ください。
筋肉の柔軟性を上げて、快適な生活を送りましょう。

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