自律神経と血液循環には密接な関係があります。
つまり、自律神経のバランスがとれていると血管の収縮と弛緩もリズミカルに繰り返され、血液をスムーズに全身に巡らせることができます。逆にバランスが崩れていると血液がスムーズに全身に廻らないため、身体・脳・心に支障が出てきます。
今回は自律神経の働きと血液循環の働きについて、そしてそれぞれのバランスが崩れたときの症状を書いていこうと思います。
さっそく思い当たる症状がないかチェックしてみましょう。
目次
自律神経は全身の働きを自動的にコントロールする
自律神経が関わる身体の機能
- 血液循環
- 呼吸
- 消化吸収
- 代謝
- 体温調節
- 免疫力
- 睡眠
自律神経の働きは、人が生きていくために必要不可欠!
交感神経と副交感神経の働き
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類の神経があります。
交感神経は身体が興奮・活動する際に働き、副交感神経は休息・リラックスする際に働きます。
それぞれの働きを理解しましょう。
項目 | 交感神経 | 副交感神経 |
---|---|---|
気分 | 興奮・緊張する | リラックスする |
瞳孔 | 拡大する(光が多く入る) | 縮小する |
涙 | 出にくくなる | 出やすくなる |
唾液 | 減る(喉が渇く) | 増える |
気道 | 広がる | 狭まる |
呼吸 | 浅くなる | 深くなる |
心拍 | 速くなる | 遅くなる |
血管 | 収縮する | 弛緩する |
血圧 | 上がる | 下がる |
胃腸の消化活動 | 遅くなる | 活発になる |
消化液の分泌 | 抑制する | 促進する |
免疫 | 顆粒球が増える | リンパ球が増える |
膀胱 | 閉まる | 開く(排尿を促す) |
筋肉 | 緊張する | 弛緩する |
発汗 | 促進する | 抑制する |
体温 | 上げる | 下げる |
自分は何タイプ?自律神経の状態をチェックしてみよう!
さて、みなさんの今の状態は何タイプでしょう?!
さっそくコンディションや性格から、現在の自律神経の状態を確認してみましょう。
①交感神経も副交感神経も高いタイプ
特徴 | ・心身ともに元気 ・落ち着いていて安心感がある ・活力や幸福感がある ・健康上のトラブルが起きない(食欲があり、太りにくい) |
性格 | ・気分が落ち込んでもすぐに切り替えられる ・考えをまとめてすぐに行動できる |
①タイプの方は・・・
自覚するような不調はなく、心身ともに快適に暮らすことができます。
②交感神経が高く、副交感神経が低いタイプ
特徴 | ・イライラして攻撃的になりやすい ・焦りや緊張が強く、ぐっすり眠れない ・頭痛や腰痛、首や肩のこりや痛みが強い ・便秘、冷えやむくみがあり太りやすい |
性格 | ・考え事や悩みが多く、常に気が張っている ・自分のことを後回しにして、仕事や家事を優先しがち |
②タイプの方は・・・
ストレスが多かったり、休めないほど忙しいという人に多く、緊張感が続いてイライラしがちです。
また、身体にはこりや痛みを感じます。
③交感神経が低く、副交感神経が高いタイプ
特徴 | ・なにもする気が起きない、だるさを感やすい ・ボーッとしてることが多い ・日中も眠くて集中できない ・食べすぎて、太りやすい |
性格 | ・行動が遅く、マイペースと言われがち ・特に大きなストレスは無いが、感動も薄い |
③タイプの方は・・・
眠気や憂鬱感が強くなり、何をしようとしても集中できず、やる気が起こらないため引きこもりがちになっていきます。
④交感神経も副交感神経も低いタイプ
特徴 | ・激しい気分の落ち込みがあり、リセットできない ・疲れやすく、休んでも疲れがとれない ・体を動かすのが辛く、顔色も悪い ・食欲は無いが甘いものを欲する |
性格 | ・集中力が無く、何をするにも無気力 ・漠然とした不安や恐怖、憂鬱感がある |
④タイプの方は・・・
どんなに寝ても休んでも疲れがとれない「慢性疲労症候群」のような状態で、症状が重いと体を動かすだけで精一杯という、つらい状態になります。
自律神経のバランスと血流
血液循環には主に4つの働きがあります。
- 酸素や栄養を全身に運ぶ
- 免疫細胞を全身に運ぶ
- 全身の老廃物を回収する
- 体温を調整する
では、交感神経・副交感神経それぞれが優位の場合、血管はどのような状態になるでしょう。
交感神経が優位→血管は収縮する
交感神経が優位の場合、血管が収縮するため、
- 血管内を流れる血液の量が減少
- 酸素や栄養が全身に行き届かない
- 老廃物が蓄積されてしまう
副交感神経が優位→血管は拡張する
副交感神経が優位の場合、血管が拡張するため、
- 血流がスムーズに流れるようになる
- 血流が良くなることで、不調も改善される
血液循環に関する不調の症状
部位 | 特徴 |
---|---|
精神状態 | 不安、落ち込み、イライラ、怒りっぽい、集中力・注意力・記憶力の低下 |
全身症状 | 倦怠感、疲れやすさ、めまい、ふらつき、微熱、不眠、起きられない |
頭 | 頭痛、頭重感 |
耳 | 耳鳴り、耳閉塞感 |
目 | 眼精疲労 |
心臓・血管 | 動悸、胸部圧迫感、高血圧、不整脈、立ちくらみ |
腸 | 便秘、下痢、腹部膨張感、ガス溜まり、肌荒れ、ニキビ、吹き出物、むくみ、体重増加 |
生殖器 | ED(勃起不全)、月経不順、PMS |
手足 | しびれ、痛み、冷え |
筋肉 | こり、痛み |
皮膚 | 多汗、乾燥、かゆみ |
まとめ
いかがだったでしょうか。
全身の細胞に酸素や栄養を届ける血流は、交感神経と副交感神経が交互にバランスよく働くことで、血管の収縮と弛緩がリズミカルに繰り返され、血液をスムーズに全身に巡らせることができます。
しかし、交感神経が”過剰”に働いてしまうと、血管が収縮して血流が滞り、頭痛や肩こり、首痛や腰痛、さらに脳梗塞や心筋梗塞などの原因にもなってしまいます。
そして脳に届く酸素量が低下すると、思考力や判断力が低下して、心の状態も不安定になってしまいます。
このような症状を放っておくと重大な病気につながる場合があります。
何か思い当たる症状などが気になることがありましたら、お気軽に当院にご相談ください。
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