近頃、お困りの方が非常に多いストレートネック。
スマホの普及でスマホ首とも言われるようになってきました。
そもそも、ストレートネック(スマホ首)とはどのような状態なのでしょう。
ストレートネックとはどんな状態なのか、原因は何なのか、予防策はあるのか、さっそく見てみましょう。
正常な脊髄とストレートネックのちがい
正常な脊髄
解剖学的に言うと人の背骨(脊柱:せきちゅう)は、7個の首の骨(頚椎:けいつい)、12個の背中の骨(胸椎:きょうつい)、5個の腰の骨(腰椎:ようつい)があり、その下に仙椎(せんつい)、尾骨(びこつ)で成り立っています。
正常な脊柱は前あるいは後ろから見ると、ほぼまっすぐ、
側面から見ると、頚椎、胸椎、腰椎、仙椎はそれぞれ前後に弯曲(わんきょく)しています。
これを生理的弯曲といい、頚椎と腰椎は前弯(ぜんわん)、胸椎と仙椎は後弯(こうわん)となっています。
ストレートネック
ストレートネックは、本来なら緩やかに前側にカーブしてなければならない(生理的弯曲)頚椎が、まっすぐ(ストレート)になってしまっている状態の事を言います。
ストレートネックの原因
では、どうして頚椎のカーブが無くなりストレートネックになってしまうのでしょうか?
成人の頭の重さは約4〜6kgあり、うつむくだけで頭の重さの数倍の負荷が首にかかります。
この重さを支えているのが、頚椎(首の骨)を含む背骨と首や肩や背中の筋肉です。
頭の正しい位置を0°とすると、
・15°傾くと約12㎏
・30°傾くと約18kg
・45°傾くと約22kg
・60°傾くと約27kg
の負荷がかかります。
首が前に傾くほど頚椎にかかる負荷が増えてしまのです。
ボーリング玉を頭、腕(前腕)を首と仮定してみましょう。
ボーリング玉を少し傾けるだけで腕(前腕)に相当な負荷がかかるのが分かると思います。
さらに、ボーリング玉を前に傾けると、腕(前腕)はその重さに負けないように後ろに力が入ります。
これを実際に頚椎で考えてみると、頭が前に傾くと頚椎は後ろに行こうと力が入ります。
頚椎の緩やかな前弯が無くなってストレートネックになってしまうのが想像できるでしょう。
ストレートネック→猫背→巻き肩→反り腰→O脚&X脚
また、頭が前に傾くと首の負担を助けるため背中は丸まり猫背に、
猫背になると肩は前に巻き込むので巻き肩に、
猫背で背中の後弯が強くなるとバランスを取るため、腰椎(腰の骨)は前弯を強くして反り腰に、
反り腰になると骨盤は前に傾き前傾に、
骨盤が前傾すると股関節は内側に巻き込むのでO脚やX脚に。
ストレートネックが引き金となり体に様々な負担がかかると、血流が滞るため首こり、首痛、肩こり、
背中痛、腰痛、股関節痛、全身のだるさなどの症状に繋がります。
このように、人間は無意識にバランスを取ろうとするので、身体全体に悪影響が出てしまうのです。
ストレートネックの副産物
さらにストレートネックで怖いのが頚椎椎間板ヘルニアです。
ヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアだけではありません。
頚椎椎間板ヘルニアとは
脊柱(背骨)の間には椎間板と呼ばれる組織があります。
この椎間板は上下の頚椎と連結しており、ある程度の弾力があります。
頚椎の緩やかなカーブが失われ、頭の重さが椎間板にかかり続けると、椎間板の組織が壊れて中から髄核が飛び出して脊髄や神経根を圧迫するのです。
これが頚椎椎間板ヘルニアです。
髄核が飛び出して神経を圧迫すると腕に痛みやしびれなどの症状を引き起こしてしまいます。
その他の不調
怖いのは頚椎椎間板ヘルニアだけではありません。
スマホやパソコンの使用などで長時間下を向く姿勢が続いてストレートネックになると、
首が圧迫され、頭に脳脊髄液が溜まって脳が萎縮してしまいます。
すると、頭痛やめまい、立ちくらみ、目の疲れや視力の低下、耳鳴りといった症状が出やすくなります。
首には、副交感神経の働きに最も重要な[迷走神経]が通っています。
首回りのこりが迷走神経の働きを阻害すると、交感神経の働きを過剰に高めてしまいます。
他にも、首には交感神経や副交感神経の働きに関わるたくさんの神経節が集中しています。
ストレートネックで首回りに負担がかかると自律神経の乱れにも繋がってきてしまうのです。
ストレートネックを予防しよう!
怖い副産物も生み出してしまうストレートネック。どうしたら予防できるのでしょうか?
「スマホを見ない」というのが一番ですが現実的に難しいものです。
ということで、ご自宅にある身近なもので簡単に出来る予防策をお教えしたいと思います。
背中枕
ストレートネックの予防におすすめなのが背中枕です!
ご用意していただくのは普段お使いになっている枕です。
方法は簡単。
枕の上に背中を乗せて10分から15分仰向けで寝たままリラックスするだけです。
- 枕の向きは普通に寝る時と同じで横向き
- 頭は枕から落として枕は背中の下だけ
- 時間は10分から15分
さらに効果的な方法として
- 背中枕で両手バンザイ!
背中枕はストレートネック予防だけでなく、猫背予防にもなるのでぜひトライしてみてください。
背中枕は15分以上やらない
背中枕には注意点があります。
それは15分以上やらないこと。
15分以上やると血流が良くなりすぎて逆に気持ちが悪くなってしまう可能性があります。
一度ストレートネックになってしまうと自分の治癒能力だけでは改善が難しいのが現実です。
自己流のストレッチなどにより逆に症状を悪化させたりケガをしてしまうリスクが高くなります。
首はとても繊細な部位なのです。
ということで1日1回寝る前の背中枕をぜひ習慣づけてみてください。
ストレートネック、プラスアルファ猫背を予防をしていきましょう。
ストレートネックの見分け方
最後に自分がストレートネックかどうかを確かめる方法をご案内します。
壁にかかと、お尻、背中(肩甲骨)を付けて立ってください。
このとき後頭部が壁に付かなかい、
また意識的に首を後ろに引かないと壁に付かない場合はストレートネックの可能性が高いです。
ストレートネックの改善は自律神経の調整に欠かせません。
当院では身体の歪みにもアプローチして自律神経を整えます。
気になる症状がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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